ハモリは、主旋律からスケール上で3度上、または6度下の音を重ねるところから始めると組み立てやすくなります。3度と6度は「不完全協和音程」と呼ばれ、主旋律と並んで動いても溶け合いやすい音程とされています。
この記事では Cメジャーキーを例に、3度・6度のハモリ音を表で並べ、作るときの確認ポイントを整理します。スケールそのものについてはメジャースケールとマイナースケールの違いを参照してください。
3度ハモリ — スケールを1つ飛ばした音
3度上のハモリは、主旋律の音からスケールの音を1つ飛ばした上の音です。Cメジャースケール(C・D・E・F・G・A・B)で並べると次のようになります。
| 主旋律 | 3度上 | 音程 | 半音数 |
|---|---|---|---|
| C(ド) | E(ミ) | 長3度 | 4 |
| D(レ) | F(ファ) | 短3度 | 3 |
| E(ミ) | G(ソ) | 短3度 | 3 |
| F(ファ) | A(ラ) | 長3度 | 4 |
| G(ソ) | B(シ) | 長3度 | 4 |
| A(ラ) | C(ド) | 短3度 | 3 |
| B(シ) | D(レ) | 短3度 | 3 |
ポイントは、長3度と短3度が混ざっていることです。すべてを長3度(半音4つ)でそろえると、キーの外の音(たとえば D の上の F♯)が出てしまいます。スケールの音だけを使って「1つ飛ばし」で取ると、自然にキーの中に収まります。
主旋律が「ド・レ・ミ・ファ・ソ」なら、3度上のハモリは「ミ・ファ・ソ・ラ・シ」。旋律と同じ形のまま、平行に上へずらした線になります。
6度ハモリ — 3度上をオクターブ下げた音
6度は3度をひっくり返した音程です。3度上の音を1オクターブ下げると、主旋律の6度下になります。
| 主旋律 | 3度上 | 6度下(3度上の音を1オクターブ下げた音) |
|---|---|---|
| C | E | E(短6度下) |
| D | F | F(長6度下) |
| E | G | G(長6度下) |
| G | B | B(短6度下) |
長3度をひっくり返すと短6度、短3度をひっくり返すと長6度になります(半音数は 4+8=12、3+9=12 で、合計が1オクターブ)。
つまり「3度上」と「6度下」は音名が同じで、高さだけが違うハモリです。主旋律より上に置くか下に置くかで、同じ音名でも聞こえ方が変わります。歌う人の音域に合わせて選べるので、ボーカルの音域とキーの選びかたとあわせて考えると決めやすくなります。
コードとぶつからないかを確かめる
スケールどおりに3度を取っても、その瞬間に鳴っているコードと合わないことがあります。確認の手順は次のとおりです。
- その小節のコードの構成音を書き出す(C なら C・E・G)
- ハモリ音がその中に入っているかを見る
- 入っていなければ、近いコードトーンにずらすか、弱拍だけに置く
例として、コード C の上で主旋律が G のとき、3度上は B です。B は C の構成音に含まれないため、強拍で長く伸ばすと Cmaj7 のような響きになります。それを狙わない場合は、B の代わりに C(4度上)に置き換えて、コードトーンにそろえる方法があります。
コードトーンとそれ以外の音の扱いは、メロディの作りかた — コードトーンと経過音で整理した考え方がそのまま使えます。各コードの構成音はダイアトニックコードとはの表で確認できます。
上ハモと下ハモを並べて比べる
3度・6度のどちらを、主旋律の上下どちらに置くかで、印象は次のように分かれるとされています。
| 置き方 | 主旋律との位置 | 聞こえ方の傾向 |
|---|---|---|
| 3度上(上ハモ) | 上 | ハモリが目立ちやすく、華やかに聞こえやすい |
| 3度下(下ハモ) | 下 | 主旋律が前に出たまま、厚みが足される |
| 6度下 | 下(離れた位置) | 声どうしの距離が広がり、すっきり聞こえやすい |
曲の中で1種類に固定する必要はありません。Aメロは下ハモで控えめに、サビは3度上で広げる、といったセクションごとの切り替えもよく使われます。なお、完全5度や完全8度(オクターブ)で平行に動き続けると、2つの声が1つに聞こえやすいとされ、古典的な和声では避ける形として扱われています。