音楽理論スケール

ペンタトニックスケールとは — 5音で作るメロディの土台

ペンタトニックスケールは、7音のメジャースケールから4度と7度を抜いた5音の音階です。Cメジャーなら C・D・E・G・A の5つ。抜いた2音はどちらも半音でぶつかりやすい音なので、残った5音はどの順で鳴らしても角が立ちにくく、メロディ作りの土台としてよく使われます。

ここではメジャーペンタトニックとマイナーペンタトニックを並べ、構成と使いどころを確認します。

Cメジャースケールから2音を抜く

まずCメジャースケール(C D E F G A B)を並べ、どの音が抜けるかを見ます。

度数 1 2 3 4 5 6 7
Cメジャースケール C D E F G A B
Cメジャーペンタトニック C D E — G A —

抜けるのは F(4度)と B(7度) です。メジャースケールの半音は E–F と B–C の2か所にあり、この2音を抜くとスケールの中から半音の隣り合いがなくなります。隣り合う音の距離は次のとおりです。

  • メジャーペンタトニック:全 全 全半 全 全半(全半=半音3つ)

日本では、4番目と7番目の音を抜くことから「ヨナ抜き音階」とも呼ばれ、童謡や歌謡曲などで多く使われてきたと言われます。スケールそのものの考えかたはメジャースケールとマイナースケールの違いで扱っています。

マイナーペンタトニック — 同じ5音を6番目から

Cメジャーペンタトニックの5音を、A から並べ直すとAマイナーペンタトニックになります。メジャーとマイナーの平行調の関係と同じで、使う音は共通、中心の音だけが違います。

度数 1 ♭3 4 5 ♭7
Aマイナーペンタトニック A C D E G
Cマイナーペンタトニック C E♭ F G B♭
  • マイナーペンタトニック:全半 全 全 全半 全

ナチュラルマイナースケール(1 2 ♭3 4 5 ♭6 ♭7)から見ると、2度と♭6度を抜いた形です。こちらも半音の隣り合いがありません。

マイナーペンタトニックに ♭5 の音(Aなら E♭)を1つ足すと、いわゆる「ブルーノート・スケール(ブルース・スケール)」と呼ばれる6音の形になります。ここは発展として名前だけ覚えておけば十分です。

鍵盤の黒鍵だけでも弾ける

ピアノの黒鍵は5つずつ並んでいて、実はこれがそのままペンタトニックになっています。G♭ から並べると G♭・A♭・B♭・D♭・E♭ で、G♭メジャーペンタトニック。E♭ から並べれば E♭マイナーペンタトニックです。

指の置き場所が分かりやすいので、黒鍵だけで適当にフレーズを弾いてみると、「5音だけでもメロディらしく聞こえる」感覚をつかみやすいと思います。ギターでは、マイナーペンタトニックを指板上の決まった形(ボックス)で覚える方法がよく紹介されています。

メロディ作りでの使いかた

キーがCメジャーのとき、Cメジャーペンタトニックの5音は、ダイアトニックコードの多くと重なります。

コード 構成音 ペンタの5音と重なる音
C C・E・G C・E・G(3音とも)
Dm D・F・A D・A
F F・A・C A・C
G G・B・D G・D
Am A・C・E A・C・E(3音とも)

どのコードの上でも「半音でぶつかる音」がスケール側に入っていないため、コードが変わってもメロディを大きく直さずに済む場面が多くなります。進行の土台はダイアトニックコードとはの表と並べると確認しやすいです。

一方で、FやBを使わないぶん、Fコードのルート(F)やGコードの3度(B)はメロディに出てきません。ペンタで骨格を作り、要所でFやBを足す、という順番で考えると、シンプルさと表情の両方を調整しやすくなります。音を足していく考えかたはテンションノート入門ともつながります。

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