音楽理論曲構成

イントロとアウトロの作りかた — 曲の入口と出口をコードで設計する

イントロはAメロへ自然に渡すための助走、アウトロは曲をトニック(主和音)へ着地させる締めくくりとして設計すると組み立てやすくなります。長さは4小節か8小節が目安で、どちらも「曲のどこかの素材を再利用する」形がよく使われるとされています。

曲全体のパーツの呼び方はAメロ・Bメロ・サビとはで整理しました。この記事では、その最初と最後に置かれる**イントロ(Intro)とアウトロ(Outro)**に絞ります。

長さの目安と役割

イントロとアウトロは、歌のあるセクションと同じく4小節単位で数えると把握しやすくなります。

パート 長さの目安 主な役割
イントロ 4〜8小節(0小節もあり) キー・テンポ・曲の雰囲気を先に聞かせ、Aメロへ渡す
アウトロ 4〜8小節 曲を終わったと感じさせる。余韻を残す

イントロの最後のコードは、Aメロの1つ目のコードへ進みやすいものを選ぶのが基本です。Aメロが C から始まるなら、イントロの最後を G(ドミナント)にしておくと、G → C の流れで歌い出しへ引っ張れます。コードの3つの機能についてはトニック・サブドミナント・ドミナントを参照してください。

イントロの4つの型

よく見られるイントロの作りかたを、Cメジャーのコード例と並べます。

型 コード例(Cメジャー・4小節) 特徴
サビ先取り型 F → G → Em → Am サビのコード進行やメロディを楽器で先に聞かせる
リフ型 C → C → C → C(同じフレーズを反復) 1つのコードの上で短いフレーズを繰り返す
ドミナント止め型 C → Am → Dm7 → G7 最後を G7 で止め、Aメロ頭の C へ強く引っ張る
歌始まり型 (イントロなし) 1小節目から歌が入る。最初の一言が目立つ

サビ先取り型は、曲の一番印象的な素材を最初に置くので、聞き手が曲を覚えやすくなります。ただしサビと同じ進行のままAメロへ入ると切れ目がぼやけやすいので、最後の1小節だけ G に差し替えてAメロへつなぐ、といった調整が使われます。

ドミナント止め型の Dm7 → G7 → C は、ツーファイブ(ii–V–I)と同じ流れです。イントロの最後で ii–V まで進め、Aメロの1小節目で I に着地させると、歌い出しがはっきりします。

歌始まり型は、歌の前に伴奏を置かない分、テンポやキーを聞き手が歌と同時に受け取ることになります。1小節だけ伴奏を鳴らす、ドラムのカウントを入れる、といった最小限のイントロもこの仲間です。

アウトロの4つの型

アウトロは「どう終わったと感じさせるか」で型が分かれます。

型 コード例(Cメジャー) 終わりかたの印象
完全終止型 Dm → G → C V → I で着地。終わったことがはっきりする
イントロ再現型 イントロと同じ進行 → 最後に C 曲の最初と最後がそろい、額縁のように閉じる
借用和音型 F → Fm → C IV → iv → I。最後に少し陰りを足して着地する
フェードアウト型 サビの進行を反復しながら音量を下げる 終わりをはっきり示さず、続いていく感覚を残す

借用和音型の Fm は、同主短調(Cマイナー)から借りたコードです。構成音は F・A♭・C で、F(F・A・C)の A を半音下げただけの違いです。仕組みは借用和音(モーダルインターチェンジ)入門で扱いました。

ほかにも、G → Am のように V から vi へ進むと、終わりそうで終わらない響き(偽終止)になります。アウトロの途中でいったん G → Am を挟み、もう一度 G → C で本当に着地させると、終わりまでの距離を少し延ばせます。

作るときの順番

イントロとアウトロは、曲の本体(Aメロ〜サビ)ができてから最後に作ると素材を選びやすくなります。

  • イントロ:Aメロの1つ目のコードを確認し、その手前に置くコードから逆算する
  • アウトロ:イントロと同じ素材にするか、サビの素材にするかを先に決める
  • 長さ:まず4小節で作り、物足りなければ8小節に延ばす

ライブで演奏する場合は、アウトロの最後のコードを伸ばす長さをメンバー間で決めておくと、終わりのタイミングをそろえやすくなります。

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