音楽理論曲構成

Aメロ・Bメロ・サビとは — 曲構成と英語の呼び方の対応

日本語の Aメロ・Bメロ・サビ は、英語圏の Verse・Pre-Chorus・Chorus におおむね対応するとされています。ただし Bメロ=Bridge ではない点だけは食い違いやすく、海外の資料を読むときの混乱のもとになります。

コードの並べかたは王道進行(4536進行)などの記事で扱いました。ここでは、その進行が置かれる「入れ物」の側を整理します。

呼び方の対応表

日本語 英語圏の呼び方 曲の中での位置づけ
イントロ Intro 歌が始まる前の器楽部分
Aメロ Verse 歌い出し。歌詞が節ごとに変わることが多い
Bメロ Pre-Chorus Aメロとサビをつなぐ部分
サビ Chorus / Hook 曲の中心。繰り返し同じ歌詞が置かれることが多い
間奏 Interlude サビのあとに挟まる器楽部分
Cメロ / 大サビ前 Bridge 終盤で一度だけ現れる、それまでと違う展開
アウトロ / 後奏 Outro 曲の締めくくり

Bメロ は「サビの前」という位置なので Pre-Chorus、Cメロ は「終盤に一度だけ出てくる別の顔」なので Bridge、という対応です。英語の Bridge は「B」から始まりますが、Bメロのことではありません。

日本語側には 落ちサビ(音数を減らした静かなサビ)、大サビ(終盤の盛り上がるサビ)といった呼び方もあります。これらは Chorus の変奏として扱われ、英語圏では Final Chorus や Breakdown などと説明されることが多いようです。

よくある並べかた

J-POPでは、次のような順番が広く使われているとされています。

イントロ → Aメロ → Bメロ → サビ → 間奏
→ Aメロ → Bメロ → サビ → Cメロ → 大サビ → アウトロ

区切りは 8小節単位で数えると把握しやすくなります。Aメロ8小節、Bメロ8小節、サビ8〜16小節、という積みかたです。Bメロだけ4小節にして早くサビへ渡す、サビを16小節にして2つのフレーズを置く、といった変形もよくあります。

英語圏では、サビが早く来る Verse → Chorus → Verse → Chorus → Bridge → Chorus という骨格が基本形として説明されることが多く、Pre-Chorus を置かない曲も珍しくありません。日本語の曲構成は Bメロ(Pre-Chorus)を常設のパーツとして数える点が、呼び方の違いに表れていると言えます。

各パートの役割をコードで考える

セクションの違いは、歌詞やメロディだけでなくコードの落ち着きかたにも表れます。トニック・サブドミナント・ドミナントの3機能で見ると整理しやすくなります。

Cメジャーでの一例として、次のような置きかたが考えられます。

セクション 例(Cメジャー) 終わりかた
Aメロ C → Am → F → G → C トニック(C)へ戻って一区切りつく
Bメロ Dm → Em → F → G ドミナント(G)で止めて次へ引っ張る
サビ F → G → Em → Am → F → G → C トニック(C)で着地する

Bメロの役割は「落ち着かせないこと」です。ドミナントの G で終える、あるいは和音を薄くしてサビの一音目で全部を鳴らす、といった手が使われます。逆にサビは、着地する場所をはっきりさせるほど「サビらしさ」が出ます。

同じコードの並びでも、楽器の数・音域・リズムの密度を変えるだけでセクションの差は作れます。カノン進行のように長い進行をひとまとめで使う場合は、コードを変えずに編成だけで場面転換する形もよく見られます。

書くときの順番

曲を作る側から見ると、サビから決めるAメロから決めるかで進めかたが変わります。

  • サビから作る:曲の中心が先に決まるので、Aメロ・Bメロは「そこへ向かう助走」として逆算できる
  • Aメロから作る:歌詞の流れが自然につながりやすい。サビで音域を上げる余地を残しておくと展開を作りやすい

どちらが良いという話ではなく、サビの音域が一番高くなるように全体を設計するという点が共通の目安として語られることが多いようです。Aメロを高く作りすぎると、サビでそれ以上に上げられなくなります。

パートの呼び方は制作現場ごとに揺れがあります。「1番のAメロ」「2A」「サビ頭」といった省略も使われるので、合わせる相手の言い方に寄せるのが実務的です。

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