3連符は1拍を3等分する分割で、シャッフルはその3つのうち真ん中を抜いたリズムです。スウィングも同じ「跳ね」を指しますが、比率に幅を持たせて語られることが多い言葉です。
拍と裏拍の数えかたはリズムの基礎で扱いました。ここでは、裏拍の位置を後ろへずらすと何が起きるかを見ていきます。
3連符 — 2つ分の長さを3等分する
3連符は、音符2つ分の長さに3つの音を均等に入れる書きかたです。四分音符1拍に入れるものを八分3連符、2拍に入れるものを四分3連符と呼びます。
| 種類 | 入れる長さ | 1音の長さ(BPM120) |
|---|---|---|
| 八分音符(比較用) | 1拍に2つ | 0.25秒 |
| 八分3連符 | 1拍に3つ | 約0.17秒 |
| 四分3連符 | 2拍に3つ | 約0.33秒 |
秒数はBPMとテンポ感で紹介した 60 ÷ BPM から出せます。BPM120の1拍は0.5秒なので、3で割ると約0.17秒です。
4/4の全拍を八分3連符で埋めると、1小節に12個の音が並びます。これは8分の12拍子(12/8)で八分音符を並べたときと同じ数なので、跳ねた4/4を12/8で書く譜面もあります。
シャッフル — 3連符の真ん中を抜く
1拍を3つの位置に分け、鳴らす場所を●、休む場所を-で表します。
| リズム | 1拍の中の位置 |
|---|---|
| 3連符 | ● ● ● |
| シャッフル | ● - ● |
| 四分音符 | ● - - |
シャッフルでは、前の音が3連符2つ分、後ろの音が1つ分の長さになります。裏拍にあたる音が、ちょうど真ん中より後ろへ動く形です。
「跳ねない八分(イーブン)」や、付点八分+十六分と並べると、違いは比率で表せます。
| リズム | 前:後ろ | 前の音(BPM120) | 後ろの音(BPM120) |
|---|---|---|---|
| イーブンの八分 | 1:1 | 0.25秒 | 0.25秒 |
| シャッフル(3連符) | 2:1 | 約0.33秒 | 約0.17秒 |
| 付点八分+十六分 | 3:1 | 0.375秒 | 0.125秒 |
楽譜では八分音符のまま書き、冒頭に「八分2つ=3連符の四分+八分」という指示を添える書きかたがよく見られます。
DAWのスウィング量を百分率で指定する製品では、50%がイーブン、約67%が2:1、75%が3:1にあたる表記がよく使われます(目盛りは製品によって異なります)。
スウィング — 比率が動く「跳ね」
シャッフルとスウィングの境目に厳密な定義はなく、資料や現場によって使い分けが異なります。よく挙げられる違いを並べます。
| 項目 | シャッフル | スウィング |
|---|---|---|
| 呼ばれることが多い場面 | ブルース・ロックなど | ジャズなど |
| 比率の捉えかた | 2:1で語られることが多い | テンポや奏者によって幅がある |
| ドラムの代表的な刻み | ハイハットで ● - ● を続ける | ライドで下の型を刻む |
ジャズのライドシンバルの基本形とされる型は、次のように2拍ごとの組になっています。
| 1拍目 | 2拍目 | 3拍目 | 4拍目 |
|---|---|---|---|
| ● - - | ● - ● | ● - - | ● - ● |
また、スウィングの比率はテンポが速くなるほどイーブンに近づくと説明されることが多く、2:1はあくまで目安として扱われます。
Cのブルースに当てはめる
12小節のブルース進行は、シャッフルと組み合わせて演奏されることが多い型です。ギターでよく紹介される刻みは、ルートに5度と6度を交互に重ねます。
| コード | 前半の2音 | 後半の2音 |
|---|---|---|
| C7 | C+G | C+A |
| F7 | F+C | F+D |
| G7 | G+D | G+E |
C7の小節なら、次のように弾きます(「と」が跳ねた裏拍です)。
| 1 | と | 2 | と | 3 | と | 4 | と |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| C+G | C+G | C+A | C+A | C+G | C+G | C+A | C+A |
同じ刻みをイーブンと2:1で弾き比べると、音の並びは同じでも「と」の位置だけが変わります。