BPM(Beats Per Minute) は、1分間に拍が何回あるかを表す数字です。ふつうは四分音符を1拍と数えるので、BPM120 なら四分音符が1分間に120回鳴ります。
同じコード進行でも、BPMが変わるとコードが切り替わる間隔と1小節あたりに置ける音数が変わります。進行そのものは同じでも印象が別物になるのは、この2つが動くためです。
1拍と1小節の長さを秒で出す
1拍の長さは 60 ÷ BPM(秒)で求められます。4分の4拍子なら1小節は4拍なので、その4倍です。
| BPM | 1拍の長さ | 1小節(4/4) | 8小節 |
|---|---|---|---|
| 60 | 1.00秒 | 4.00秒 | 32秒 |
| 80 | 0.75秒 | 3.00秒 | 24秒 |
| 100 | 0.60秒 | 2.40秒 | 約19秒 |
| 120 | 0.50秒 | 2.00秒 | 16秒 |
| 140 | 約0.43秒 | 約1.71秒 | 約14秒 |
| 160 | 0.375秒 | 1.50秒 | 12秒 |
この表は、曲の長さを見積もるときにそのまま使えます。たとえばAメロ・Bメロ・サビを8小節ずつ積んでいく場合、BPM120 なら各パートが16秒。イントロ8小節+Aメロ8+Bメロ8+サビ16 で、ここまでが約80秒という計算になります。
BPMは四分音符を基準にするのが基本ですが、8分の6拍子のように付点四分音符を1拍と数える書きかたもあり、その場合は同じ数字でも体感の速さが変わります。
テンポ記号とのおおまかな対応
楽譜で使われるイタリア語のテンポ記号は、おおよそ次の範囲で説明されることが多いとされています。資料によって数値に幅があるため、目安として見るものです。
| 記号 | おおよそのBPM | 言葉の意味 |
|---|---|---|
| Largo | 40〜60 | 幅広くゆるやかに |
| Adagio | 66〜76 | ゆったりと |
| Andante | 76〜108 | 歩く速さで |
| Moderato | 108〜120 | 中くらいの速さで |
| Allegro | 120〜168 | 速く、快活に |
| Presto | 168〜200 | 非常に速く |
「歩く速さ」と言われる Andante のあたりが、日常の感覚に一番近い帯です。自分の歩幅に合わせて数えてみると、おおよその位置をつかめます。
同じ4コード進行をBPM75と150で鳴らす
Cメジャーの C → G → Am → F(王道進行の並べ替えで扱った4コードの一種)を、1小節に1コードずつ置いてみます。合計4小節です。
| BPM | 1コードの長さ | 4小節ひと回し |
|---|---|---|
| 75 | 3.2秒 | 12.8秒 |
| 150 | 1.6秒 | 6.4秒 |
BPM75 では、ひとつのコードが3秒以上鳴り続けます。そのあいだにメロディを動かす余地があるので、ロングトーンを伸ばしたり、コードトーンをゆっくり渡り歩いたりできます。
BPM150 では、同じ4小節が半分以下の時間で過ぎます。コードが次々に変わるぶん、メロディは短いフレーズの繰り返しになりやすく、歌詞を詰めるなら音節を増やす必要が出てきます。
進行を変えずに曲の印象を動かしたいときは、BPMを変えるか、1コードあたりの小節数を変える(1小節1コードを2小節1コードにする)という2つの方向があります。後者はBPMを保ったまま、コードの切り替わりだけを遅くするやりかたです。
ハーフタイムとダブルタイム
BPMの数字を変えずに速さの体感を動かす方法もあります。
4分の4拍子でスネアを2拍目と4拍目に置くのが基本形だとすると、ハーフタイムでは3拍目だけに置きます。ドラムの手数が半分になるので、BPMはそのままでも倍の長さの拍を刻んでいるように聞こえます。サビ前のBメロだけをハーフタイムにする、といった使いかたがよく紹介されています。
逆に、ハイハットやベースの刻みを倍に増やすのが ダブルタイム の感覚です。これも数字上のBPMは変わりません。
関連して、BPM160 の曲は BPM80 と数えても足が合います(2倍・半分の関係)。DAWの自動解析が実際の倍や半分の数字を返すことがあるのはこのためで、迷ったらスネアの位置を基準に数え直すと判断しやすくなります。