音楽理論コード進行

1564進行と6415進行 — 同じ4つのコードを並べ替えると何が変わるか

1564進行(I–V–vi–IV)と6415進行(vi–IV–I–V)は、同じ4つのコードを違う順番で並べたものです。 Cメジャーなら、どちらも C・G・Am・F の4つしか使いません。それでも印象が変わるのは、どのコードから始めるか最後にどのコードを置くかが違うからです。

この記事では、この2つの進行を度数と機能で並べて比べます。ダイアトニックコードそのものについてはダイアトニックコードとはを先に読むと分かりやすいと思います。

同じ4つのコードの、4通りの並べ方

I・V・vi・IV の4つは、順番を回すだけで別の名前で呼ばれる進行になります。Cメジャーで書き出すと次のとおりです。

呼び名 度数 Cメジャー 最初のコード
1564進行 I–V–vi–IV C – G – Am – F メジャー
5641進行 V–vi–IV–I G – Am – F – C メジャー
6415進行 vi–IV–I–V Am – F – C – G マイナー
4156進行 IV–I–V–vi F – C – G – Am メジャー

4つとも構成コードは同じです。ループさせて弾き続けると、どこを1拍目と感じるかの違いだけになります。逆に言えば、曲の中で「どこを頭に置くか」を決めるのが、この4つを使い分けるということになります。

機能で見る:どこで緊張して、どこで落ち着くか

ダイアトニックコードは大まかに3つの機能に分けられます。

  • トニック(T):落ち着く。I・iii・vi
  • サブドミナント(S):少し離れる。IV・ii
  • ドミナント(D):緊張する。V・vii°

この記号で2つの進行を書き直します。

  • 1564進行:I(T)→ V(D)→ vi(T)→ IV(S)
  • 6415進行:vi(T)→ IV(S)→ I(T)→ V(D)

1564進行は落ち着いた I から始まり、最後が IV(S)で終わります。IV は緊張が強くないので、ループの切れ目が目立ちにくく、開けた感じが続きやすい形です。

6415進行は最後が V(D)です。V は次に進みたがる性質を持つので、ループの終わりに前へ押し出す力が残ります。同じ4つのコードでも、終わりの一手が S か D かで、回り続ける感じの質が変わるということになります。

6415進行がマイナーに聞こえやすい理由

6415進行は vi(Am)から始まります。Am は Cメジャーの平行調にあたる Aマイナーの主和音です。そのため、Aマイナーのキーとして読み直すこともできます。

進行 Cメジャーで読む Aマイナーで読む
Am – F – C – G vi – IV – I – V i – VI – III – VII

どちらの読みも同じ音を指しています。使っている音は C D E F G A B の7音のままで、♯も♭も増えません。同じ7音を、どの音を中心に聞くかで印象が変わるという話で、これはメジャースケールとマイナースケールの違いと地続きの考えかたです。

なお、vi–IV–V–I(Am – F – G – C)のように V と I を入れ替えた並びは「小室進行」と呼ばれることがあります。こちらは最後が I なので、区切りがはっきりつく形になります。

王道進行との違いは「3番目のコード」

王道進行(4536進行)は IV–V–iii–vi、Cメジャーなら F – G – Em – Am です。ここまでの2つと並べてみます。

進行 度数 Cメジャー 使うコード
1564 I–V–vi–IV C – G – Am – F I・IV・V・vi
6415 vi–IV–I–V Am – F – C – G I・IV・V・vi
4536 IV–V–iii–vi F – G – Em – Am III・IV・V・vi

1564 と 6415 は構成コードが完全に同じで、順番だけが違います。一方 4536 は、I の代わりに iii(Em)が入っている点が違います。I を避けて iii を置くことで、解決しきらないまま次に進む形になる、と説明されることが多い進行です。

つまり、**1564 と 6415 の関係は「並べ替え」、4536 との関係は「1つ差し替え」**ということになります。

キーを変えて確かめる

度数で覚えておけば、キーが変わっても表を縦に読み替えるだけで済みます。

キー I IV V vi
C C F G Am
G G C D Em
D D G A Bm
F F B♭ C Dm

Gメジャーの1564進行なら G – D – Em – C、6415進行なら Em – C – G – D になります。同じ形を複数のキーで弾いてみると、進行の骨格が度数のほうにあることが確かめやすくなります。

まずは C・G・Am・F の4つを、順番だけ変えて弾き比べてみるところからで十分だと思います。

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